研究について
研究について
我々の研究班は平成28年度の厚生労働省科学研究補助費(以下厚労科研)に採択と同時に発足し、平成30年度からは第2期目の研究を行っています。
この研究の目的の一つは、本邦における正確な患者把握を行うことにあります。患者さんの実態を把握することで、現行の重症度判定の適性評価を行い、個々の患者さんに適したより良い診察ができるようにすることが最終的な目標です。
平成28年度から29年度にかけて、全国規模のオンライン患者登録システムを構築し、登録を開始しました。この患者登録システムには研究班班員の施設から患者さんの病状や所見が登録されておりますが、全て登録個人情報を特定できないように匿名化したデータとして登録されております。平成30年度からは登録を本格化させ、全国規模で患者登録を行っております。
この研究の2つ目の目的は、患者さんの実態を把握した上で、最新の科学的知見に基づいた新しい診療指針(ガイドライン)を作ることにあります。ガイドラインを作成し、広く流布させることにより、医療水準の均てん化を図ることが可能となります。
ガイドラインにより、将来的に患者さんが国内のどこにいても標準的な治療を受けられるように、間質性膀胱炎の医療水準や医療技術の格差の是正がなされることが期待されます。
一般の皆様へ
間質性膀胱炎とは
間質性膀胱炎とは、膀胱に原因が不明の炎症がおこり、それによって尿が近い、膀胱や尿道に違和感や痛みがおこる、などのつらい症状がでる病気です。
病気のタイプからハンナ型と非ハンナ型に分かれます。ハンナ型では、膀胱の内視鏡でハンナ病変と呼ばれる特有の異常がみられます。難病に指定されているのはこのハンナ型で、その中でも特に症状が悪い方です。
▼ 間質性膀胱炎の内視鏡所見 ハンナ病変